VTuberを“バーチャル観光大使”に 埼玉県が7月に公募 若手職員が発案

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埼玉県は6月8日、県内の観光業を盛り上げるため、県公認のバーチャルYouTuber(VTuber)を7月1日から7月20日まで特設サイト上で公募すると発表した。採用されたVTuberは「埼玉バーチャル観光大使」として、県内の観光地や特産品を動画で紹介する。専門家らによる書類や動画の選考を経て、12月に任命式を行う予定。

7月1日以降、特設サイトの専用フォームから応募できる。1次選考では埼玉県の観光プロモーションへの熱意などで候補者を絞った上で、2次選考では応募者にVTuberを使った、観光PR動画を制作してもらい、特設サイト上で人気投票を行う。投票結果や有識者の意見を踏まえ、バーチャル観光大使1人を任命する。

審査の流れ

その後、県は採用されたVTuberと2021年度末までの委託契約を結ぶとともに、活動費として100万円を支給。年度内にVTuberが出演する観光PR動画を3本制作してもらう。動画は県の公式ページに掲載する。活動方針が決まり次第、任期の延長も検討する。

県の担当者によると、VTuberの人気や発信力に着目した若手職員の発案で実現。県は「若者に県の魅力をアピールしたい」と話す。コロナ禍で海外からの訪日観光客数が減少し、県内の観光業が打撃を受けていることから、アフターコロナを見据え、若者を中心に国内の観光客誘致にもつなげたい考え。

プレスリリース

自治体PRへのVTuberの活用では、茨城県が2018年8月、全国初の自治体公認VTuber「茨ひより」を県職員として採用すると発表。県内の観光地紹介の他、国際会議の歓迎レセプションの映像に起用している。

茨城県によると、茨ひよりの起用以降、県の公式YouTubeチャンネルの登録者数は7万人以上増加し、動画再生数も急増。21年3月末までの経済効果を広告費に換算すると約5億円に達するという。

埼玉バーチャル観光大使(VTuber)オーディション開催!

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「茨ひより」に続け! 埼玉県、VTuberで魅力発信へ

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埼玉県はアニメ調のキャラクターでインターネット動画を配信する「バーチャルYouTuber(VTuber)」を活用した観光振興に着手する。公募で選ばれたVTuberを「埼玉バーチャル観光大使」(仮称)に任命し、新しい切り口で観光情報の発信を図る。

VTuberは主に若者の間で人気が高く、登録者数が100万人を超す投稿者も多い。茨城県が2018年に全国に先駆けて県公認VTuberを発表したのを皮切りに、自治体でもVTuberをPRに活用する例が増えている。

今回の事業は、VTuberに埼玉県内の観光地を紹介してもらい、若者を中心に埼玉ファンを増やすのが狙い。県観光課によると、他の自治体がVTuberを活用する際は行政が自前でキャラクターを作るケースが多いが、埼玉バーチャル観光大使の場合は公募でVTuberを選ぶのが特徴という。21年の夏までに募集を始め、21年度中に5本程度の動画を公開する予定だ。

想定している選考の流れは、まず1次審査でキャラクターが自治体の観光PR活動に適しているかどうかという観点で、候補を絞り込む。2次審査では実際にPR動画を作成してもらい、インターネット上で人気投票を実施する他、アニメ業界やメディア業界の専門家による選考も行う。これらの選考を経て最優秀候補に選ばれたVTuberを「埼玉バーチャル観光大使」に任命する。

他の自治体に先駆けてVTuberを起用した茨城県によると、公認VTuber「茨(いばら)ひより」が登場してから、動画投稿サイトで県公式アカウントの再生回数が急増。茨ひよりによる経済効果を広告費に換算すると、約4億9300万円(18年8月〜20年12月)に達するという。

埼玉県観光課の担当者は「従来の県の観光PRは若者にメッセージが届きづらいという課題があった。VTuberを起用することで新たな層に埼玉の観光地を知ってもらい、将来県内に足を運ぶきっかけになれば」と期待を込めている。

(竹之内秀介)