日本政府、在アフガン大使館の職員退避急ぐ 欧米諸国も: 日本経済新聞

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カブールの空港の入り口を警備するアフガニスタン治安部隊(15日)=ロイター

日本政府は16日、アフガニスタンで反政府勢力タリバンが首都カブールを掌握したのを受け、日本大使館職員の国外退避に向けた準備に入った。アフガニスタン在住の邦人の安全確保を最優先にしつつ、退避作業を急ぐ。

外務省は安全上の観点からアフガニスタンの在留邦人数を公表していない。同省幹部によると、援助関係の仕事をする邦人が現地に残っているが、帰国希望者の段取りはついているという。

在アフガニスタン大使館に勤務する職員は十数人いる。

欧米諸国も相次ぎ自国民や大使館員の退避のため動き始めている。米国務省は15日、アフガニスタンの首都カブールにある米大使館から市内にある国際空港へ全職員の退避が完了したと発表した。バイデン大統領は14日、退避を加速するために米兵1000人を追加派遣すると発表していた。

既に英国やドイツ、フランスなどは大使館の機能を市内にある国際空港内や周辺に移し、自国民の退避に向けて活動を続けている。英国は自国民の退避のため、軍隊をカブールに派遣した。ニュース専門局フランス24によるとフランスはアフガニスタン内のフランスの組織で雇用されている600人以上のアフガニスタン人と家族をすでにフランスで受け入れた。

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は15日ツイッターに「退避が進むようNATOはカブールの空港の機能維持を支援している」と投稿した。ロイター通信によると国連は職員をアフガンから退避させないとしつつも、一部職員を国内でカブールから別の地域に移動させる方針を示した。

一方、ロシアや中国は現在のところ「大使館職員を退避させる必要はない」としている。トルコのチャブシオール外相も15日、カブールにある大使館の業務を継続する方針を明らかにした。

複数のロシアメディアによると、ロシア外務省のカブロフ大統領特使(アフガン問題担当)は15日、タリバンによる暫定政権について「現時点で承認していない」とした一方で「ロシアはアフガニスタンの暫定政権と協力する準備はできている」と述べた。

アフガンの日本大使館職員退避へ

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政府はアフガニスタン情勢の緊迫化を受け、同国の首都カブールにある日本大使館の職員を国外に退避させる方針を固めた。政府関係者が15日、明らかにした。外務省幹部はアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンがカブールに進攻したことについて、事態の推移を注視する考えを示した。

外務省関係者によると、在アフガニスタン大使館に勤務する日本人職員は十数人。政府筋は「情勢が非常に早く展開している。欧米諸国と連携しながら情報収集を急いでいる」と述べた。

外務省幹部は、タリバンが「全土が支配下に入った」との声明を発表したことに関し「20年間の努力が水の泡になる」と懸念を示した。

日本、アフガン大使館員退避へ 「急激に事態が流動化」 - 産経ニュース

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アフガニスタン情勢の緊迫化を受け、日本政府は首都カブールにある日本大使館職員の国外退避を急いでいる。外務省幹部は16日午前、産経新聞などの取材に「安全面の関係で詳細は言えないが、今、オペレーションしている。欧米とも連携している」と述べた。

在アフガニスタン大使館に勤務する日本人職員は10数人。現地には国際機関に勤務する邦人などがいるとみられるが、外務省によると、希望者は退避を進めているという。

アフガン情勢に関し、別の幹部は「(退避などの)準備はしていたが、急激に流動化した印象だ」と言葉少なに語った。

日本政府はこれまで、アフガンの持続的・自立的発展に向け、農業・農村開発やインフラ整備などの支援を行ってきた。ただ、そうした取り組みは頓挫するほか、今後、テロリストの拠点化するなど安全保障上の脅威となる恐れもある。